確定拠出年金のメリット

確定拠出年金のメリット 企業年金制度をもつ会社にとっての確定拠出年金を導入するメリットは、退職給付責務の削減効果を期待することができる、というものがあげられます。現状の会計基準では、退職金として会社が保有している資産額と会計上の退職給付責務の額を比較し、その不足分は会社が補填する義務がある点には注意が必要です。特に将来支払う退職給付額を約束する確定型の年金制度をとっている限り、会社はその分を補填する義務を負うリスクが常につきまとうことになります。しかし、確定拠出年金を導入すれば、毎月の掛け金を拠出した時点で退職給付の支払い義務を果たしたことになるため、長期の債務を負う義務が一切生じません。この点は大きな魅力と言えるでしょう。
また、加入者側から見たメリットは、運用次第で年金額を増やせる可能性がある、という点があげられます。もちろんリスクはありますが、中には元本保証をしているものもあります。そのため、リスクが心配な人は手堅い選択をすることも可能です。

確定拠出年金のデメリット

確定拠出年金のデメリット 税制面でメリットの多い確定拠出年金ですが、一方でデメリットも存在します。その一つが老後に受け取ることができる年金額が一定ではないということです。一般的な年金では、老後にどれぐらいの金額を受け取ることができるのかおおよそ把握することができます。しかし確定拠出年金では運用の結果によって金額が変わってくるため、多くなることがある一方で、想定していたよりも少なくなってしまうこともあるのです。
もし確実に年金を受け取りたいと考えているのであれば、元本が保証される元本確保型を選択すると良いでしょう。大きく増えることは期待できませんが、将来が確定されているので安心です。逆に少しでも多く受け取りたいという人には、元本変動型をお勧めします。国内外の株式や債券に分散投資を行うこのタイプは、資産が減ることもある点に注意してください。
もう一つのデメリットは、運用先を選ぶにあたって自分で行う必要があるという点です。通常の年金では毎月決まった金額を支払うだけで自動的に運用されます。ところが確定拠出年金ではラインナップの中から自分で選ばなくてはならず、運用先を間違ってしまうと大きく資産が目減りするため危険です。運用商品についてしっかりと自分でも学ぶことが求められます。